何となく、ふと、ある時。
自分自身のこれまでの道のりを
振り返ってみたくなった。
これまでの人生、何となく、
どこかで立ち止まって、
過去を振り返ったり、
未来を描いたり、
そんなことをせずに、
今日までずっと走り続けて
きてしまったような気がする。
別に、何かの不満があるわけではない。
むしろ今もそれなりに充実している。
もしかしたら、同年代の仲間と比べると
それなりどころか、とても充実して
いるのかも知れないとさえ思う。
だからなのか。
振り返ってみたくなった。
大学時代に暮らしていた街に
行ってみた。
当時私は、学生会館で生活をしていた。
まずは思い出の詰まった
学生会館を目指した。
着いてみて唖然とした。
当時学生寮だったマンションは今、
一般の居住マンションとなっていた。
当時食堂だった1Fのスペースは
駐輪場に変化していた。
外壁の色も変わり、学生会館の面影は
少しだけしか残っていなかった。
思い出や、記憶までも、消えてしまったような
錯覚に包まれ、とても切なくなった。
けれど、敷地にあった大きな木。
これだけは何も変わらず、
そこにそのまま残っていた。
その木を見ておもった。
これからもずっと私は私のままで
いつまでも変わらず生きていこうと。